理系備忘録

理系経験者の雑記帳、書評など

JOKER

久しぶりに映画を見てきた。Auだと、映画1200円に割引されているようである。

Jokerは、いろいろと人気であることもあり、久しぶりの映画鑑賞に選択。次は、三谷幸喜か。

昔からバットマンシリーズは見ているので楽しめた。アニメのキャラクターというよりも一人の人間として描かれている。

バットマンであるブルースウェインの幼少期、両親が殺害されているが、それにつながる物語でもあった。ジョーカーになる前の、コメディアン志望の一人の人間であるアーサーが、ピエロをばかにされ、ウェイン財団の社員を殺害することになる。ウェイン財団のトップであるトーマスウェインが、弱者をばかにする発言から、弱者の反乱が拡大していくというものであり、社会的な弱者の恨みが、トーマスブルースウェイの殺害にもつながっているというもの。

また、アーサーがトーマスウェインの隠し子であり、ブルースウェインの異母兄弟の話も出てくる。結局アーサーの母親のいつわりであることがわかり、アーサーの怒りが増していき、初めて出演依頼され出演したコメディー番組で司会者を射殺、暴動が起きていくというもの。

バットマンの世界観に出てくるゴッサムシティが、悪くなり始めの時代を描いたものである。ジョーカーの登場により、悪がはびこるゴッサムシティになってくことも予見される。

 

現代の社会にも通じる設定でもある。社会的な弱者が、遺棄場所を失い犯罪に走るというのは、日本でも起きている。いろいろと映画の評判を見ていると、人気であるのが分かる映画である。社会風刺でもあるし、すべて悪人が悪いというわけではないという、悪を生み出す土壌があるということも描かれていると感じる。単なるアニメキャラクター映画ではない内容になっている。1940年前後にバットマンが描かれているが、かなり前のアニメのキャラクターが、これだけ続いていることにも驚きである。バットマンの誕生を描いたダークナイトライジングとこのジョーカーは、非常に対照的な作品だなと感じた。

 

アメリカでは、銃犯罪、テロ、戦争、貧困といったことが日本よりも身近であることを考えると、その社会で正義を貫くヒーロー的なものには、これまでのアメリカ映画を通じて求められていたし、痛快であったであろう。オバマ大統領、トランプ大統領といったところもある意味、ヒーロー的なイメージもあるが、結局大きな解決にはなっていない時代である。単純なヒーローの出現だけでは問題解決にはならないということが伝わってくる内容でもある。いつか、ゴッサムシティが平和になる映画とかできたらいいのにと思ったりもした。